森薫さんの新作『乙嫁語り』を読みました。
森 薫
エンターブレイン
エンターブレイン
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馬を駆る可憐な花嫁アミルの物語素敵な絵の数々に、部屋中、駆け回りたくなりました。
絵,物語,装本,そのどれもが好印象
素直におもしろいと思う。
色々残念
カスピ海沿岸中央アジアのテュルク族の物語と言うことですが、中央アジアって、地理も歴史も知らないことがいっぱいです。
このあたりの地域は19世紀後半にはソビエト連邦の侵攻により侵略され、20世紀末の連邦崩壊まで支配され続けてたわけですから、GEROPPAが学校で習った世界の地理や世界史なんかにもほとんど登場しなかったんじゃないかな。
連邦からの独立ってことでは、ニュースとしても流れてたと思いますが、1998年のワールドカップ予選のとき、加茂監督の解任につながった中央アジア連戦の報道で、やけに○○スタンって国があるんだぁって感じであらためて認識したんじゃないでしょうか?
このへんの情報についてはこのサイトが詳しいです。
大阪大学 外国語学部 他大学研究会
作者の森さんがあとがきで書いてますが、高校時代から中央アジアに大変な興味をもっていたそうです。
1巻は、物語の背景と主人公とそれをとりまく主要な登場人物の設定でストーリーらしきものはまだ始まってません。がしかし!それでもすごい。
この作品の魅力は、作者の物語の背景となったものすべての対象に対するハンパじゃない愛と情熱が伝わってきます。
特に作画の徹底的なディティールへのこだわりがすごい。
嫁入りしてきたシーンのアミルの衣装。
アミルとカルルクの新居の壁に掛ける絨毯の織柄。
捕らえたウサギを馬上から手を伸ばして拾い上げる際の馬とアミル。
カルルクの甥ロステムが訪ねる、大工さんの柱の彫刻のひとつひとつ。
などなど数え上げたらきりがないですが、とにかく絵ヂカラに圧倒されページをめくる度に「はっふーん」て感じです。
その絵ヂカラが生まれる模様がココ
作者の描画風景が動画で見られます。
登場人物ですが、主人公のアミルいいですね。凜とした表情と、とぼけた感じだけどなにげに全能なところとか、氏の前作『エマ』でも主人公よりは、メルダース家のドロテア奥様やアデーレといった黒髪&ツリ目系が大好きだったGEROPPAには、もう、どストライクな設定です。(森さんの描く女性の特徴として、凜とした感じだけど脱ぐと意外とすごい系なところもよろしい)。
今後の展開がとっても楽しみなんで、本誌『fellows!』で追っかけようかな。(もちろん立ち読みだけど)
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