他感作用 [たかんさよう] [英]Allelopathy アレロパシー。
[意味]ある植物の影響で、他の植物の成長が影響されること。
あたし達の住んでいる街には河が流れていて
それは河口にほど近く
広くゆっくくりよどみ、臭い 河原のある地上げされたままの場所に
セイタカアワダチソウが
おいしげっていて
よくネコの死骸が転がっていたりする。
『岡崎京子:リバース・エッジ』
セイタカアワダチソウは繁殖力が強く、その茎は2mを超える高さになり、他の植物を押しのけて繁殖し、秋には黄色い花を咲かせる。
繁殖力の強さの特徴のひとつに、この植物特有の「他感作用」という特性がある。
これはこの植物が根から毒素を出して他の植物の成長を阻害するが、自分自身もその毒から逃れられない。
みさかいなく突きつける両刃は自分も傷つけ
毒を吐きつづけてはその毒で自分も苦しむ
明けない夜が永遠につづくと思っていた
セイタカアワダチソウの生い茂る河原と
土手に囲まれた小さな町が世界のすべてだった
そういう記憶をセイタカアワダチソウの黄色い花は連れてくる。