故中島らも氏の妻「ミーコ」こと中島美代子によって、夫「中島らも」が、どのように生きたのかが、赤裸々って言葉が赤面し、素っ裸で逃げ出すぐらいの内容でありながら、淡々と、日記をめくりながら「あら、こんなこともあったわね。」って感じの独白調で語られる。
この本を読んで感じるのは、この妻でなければ、間違いなく、中島らもはありえなかっただろうなってこと。いかにして、あの奇才、中島らもが生まれたのか、らも氏の著作だけでは、見えなかった部分が「あぁ、そうなんだ」って、すうっと腑に落ちる感じ。
妻は、酒、ドラッグ、友人に差し出されるセックス、愛人ふーことの関係、夫のすべてを受け入れ許してしまう。
夫である「らも」は、「どこまでも許される」ということに対して、限界を求め、もがき続けながら、ついに果たせなかったのではないのかな。
つきつけられた正直さは、汚れた心に鋭い刃となって斬りつける。
大いなる「愛」は、不完全でひ弱な自尊心を、窒息させる。
絶対的な肯定は、ときに孤独であることよりも、絶望を抱かせる。
らもファンには必見の一冊です。
0 件のコメント:
コメントを投稿