2005/10/21

沈黙の声

沈黙の声
トム リーミイ Tom Reamy 井辻 朱美

筑摩書房
1992-10
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おすすめ度 



トム・リーミイ大ファンなのです。

でも、日本語で読める作品は2冊しかありません。
もう1冊は20年も前に絶版になった、「サンディエゴ・ライトフット・スー」(サンリオSF文庫)という短編集です。

私は、その本を読んで、トム・リーミィの大ファンになって、その後、彼の作品を書店や図書などで探しに探したのですが、全く出会えずじまい。

当時から、この「沈黙の声」の存在は、知っていたのですが、サンリオ文庫版は、「サンディエゴ・ライトフット・スー」同様に絶版になっており、あきらめていました。しかし、なんといつのまにやら「ちくま書房」から復刊されていたのでした。

これは読まねば!!

ということで、トム・リーミィを読める日本で唯一のこの作品。彼はこの作品を最初、映画の脚本用として書いたらしいのですが、なるほど納得です。場面設定や登場人物に対する、非常に細やかな視覚的な描写、物語全編を通して耽美で幻想的に展開される世界は、本当に素晴らしい。

ただ、映画的な盛り上がりを考慮したのか、後半のSFチックなESPバトルはサービス過剰気味です。ていうか、この作者、SF作家とカテゴライズされいうようですが(サイエンスフィクション)のサイエンスの部分があんまり得意じゃない(多分本人も指向していない)のでしょう。

おすすめ(イチオシ)の1冊です。

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